マインドフルネス・メディテーションは、
心のスピードを減速させること
であります。
心が受ける刺激(感情)に対する反応のスピードのことです。何かを見たり聞いたりしたとします。それに対して、自分の心が反応し、そして脳で好きとか嫌いとか、良いとか悪いを捉えて評価をする、そのスピードのことを言います。
私たちは、マインドフルネスのプラクティスにより、その瞬殺スピードで動く心をスローモーションで見る力を養います。
世の中の進みは、すごくスピードが早いです。ボーッとしていると置いていかれます。昨今のコロナ禍では、スピード感を持った変革が求められたりして、さらにスピードをあげようとしている人もいるかもしれません。
スピードを持って行動したり、ビジネス展開をしていくことはとてもいいことです。私も、そういうスピード感を持った生活は好きです。ただ、その質は考えないといけません。
器械体操のオリンピック選手ほどの名選手は、空中で浮いている自分の身体の動きを、その瞬間どうなっているのか一瞬一瞬をしっかり捉えているそうです。逆さになっているのか、それはどれくらいの角度で斜めになっているのか、手の形は?足の向きは?などなど・・・。それらを、スローモーションで捉えているそうです。しかし、私たちが競技を見ている時、全然スローモーションで見えません。一瞬でポーンと飛んで、トンっと着地をしている姿が見えています。実際のスピードも秒数で言ったら一瞬です。
マインドフルネスで培う力は、このスローモーションです。自分の心や感情の変化、脳がジャッジするまでの過程をスローモーションで捉えていく作業です。心は一瞬で動きます。それを、空中で浮いている時に自分の身体を一瞬一瞬感じている体操選手みたいに、心の機微を捉えること、知ることなのです。
だから、まずは、静かに落ち着くことから始めます。心の落ち着きがないとスローモーションは永遠に捉えることができないでしょう。